達人の心得其の四 おくすりは指定の量を指定の時間に服用するべし。

 達人の心得其の四 おくすりはお医者様の指示をまもって決められた量を決められた時間に服用しましょう。

 食前服用のおくすりや飲む時間について特別に指示をされていない場合には、おくすりを飲むべき時間からそう経っていなければ、すぐに服用していただいてかまいません。 もし、次に服用するべき時間のほうが近いようであれば、今回は飲まないでおいて、次回の服用時間に1回分を飲んでください。 飲まなかった分と2回分を一度に服用してはいけません。

おくすりの達人になろう  よく聞くのは、『私は8時ころ夕食をとりますが、その後はお風呂に入って、10時には寝てしまいます。』という人が寝る前に服用の指示をされている場合に、夕食後と時間的に同じになってしまう場合です。
 夕食後に飲むおくすりと、寝る前に飲むおくすりが違う場合には、どちらも一緒に飲んでいただいてかまいませんが、1日に4回服用で夕食後と寝る前に同じおくすりを服用する場合では一緒に飲むと2回分を一度に飲むことになってしまいます。 これは良くありませんね。 飲み忘れてしまうのは仕方ありませんが、自分で勝手におくすりを飲む量をコントロールしている人がいるようです。

 全国36個所で消化器や心臓などの慢性疾患でおくすりを飲んでいる方の実に6割以上の人がお医者様から投与されたおくすりを飲み残していると答えています。 そのほとんどは『時々のみ忘れる』『自分でおくすりの量を加減している』というものでした。

 お医者様から処方されたおくすりを適当に加減するとどうなるでしょう。
 お医者様は指示通りに飲んでいると思っていますから、診察をして思うようにおくすりが効いていないともっと強いおくすりに変更してしまうかもしれません。
 同じ作用の他のおくすりに変更されたのに気づかず、更に家にあった飲み残しの今までのおくすりも一緒に飲んでしまっては大変です。
 血圧を下げるおくすりや血糖を下げるおくすりを多く飲むと必要以上に血圧や血糖が下がってしまい、めまいやふらつきがおきたり、ひどいときには意識を失ってしまうことさえあります。
 まさに過ぎたるはなお及ばざるが如しどころか過ぎたるよりも及ばざるほうがましってことになりかねません。

 おくすりの達人の心得の其の四は『おくすりはお医者様の指示をまもって指定の量を指定の時間に服用するべし』です。

 達人の心得其の五 もらったおくすりが何に効くのか理解するべし。

 達人の心得其の五 もらったおくすりが間違いないか確認し、何に効くおくすりなのかを聞いておきましょう。
 さて、新しいおくすりを貰って、おくすりの袋に書いてある服用の時間と回数、それとおくすりの数は確認しました。
 おくすりの達人が次に考えることは何でしょう。 それはこのおくすりは何に効くのかということです。
 飲みなさいと言われるおくすりですから、自分に必要なおくすりなのでしょう。でも、どんな効果を持つ、そして、どんな副作用があって、どんな注意が必要なおくすりなのかを知らずに飲むなんてことはおくすりの達人には考えられません。
おくすりの達人になろう  おくすりを貰うとき、ましてや初めて飲むおくすりでは必ず薬剤師さんがどんな効果があって、どんな注意が必要かを説明してくれます。また、最近ではおくすりの情報としてカラーの写真入でおくすりの効能効果や副作用を一覧表にまとめた紙をくれる薬局が多いですね。
 薬局で言われたときには『ああそうか、そんな作用があるのか、こりゃ飲まなきゃいけないな。』と思ったのに、家に帰ってくると『はて、この薬は何だっけ、よくわかんないから飲まないほうがいいかな?』なんてことでは大変です。
 このおくすりの情報の紙をよく読んでください。 この紙にはおくすりの名前と何に効くのか、注意は何かがわかりやすく書いてあります。 おくすりはいろいろな使い方をしますので、あなたの病気のことが必ず書いてあるとは限りません。
 中には神経痛でかかったのに『これはてんかんのおくすりです。』なんて書いてある場合のありますのでよく読んでみてください。 これはもともとてんかんのおくすりだったのですが、顔面の神経痛などにも効くことがわかって、今ではそちらのほうが一般的に使われているなんてこともあります。 それでもおくすりの種類としてはてんかんのおくすりですし、おくすりの説明ではてんかんのことが書いてありますから不安になってしまいますよね。
 この他にも熱冷ましなのに心臓の薬として使ったり、飲み薬を軟膏に入れて作ったり、考えると結構いろいろなことをしてますね。 でもこれはおくすりのことを説明が足りない薬局が悪いんですけどね。

おくすりの達人になろう  しかし、中には『スローケー』と『スローフィー』や『ボンゾール』と『ポンタール』、『ペリアクチン』と『ペルサンチン』などのように良く似た名前のおくすりをお医者様が間違って指示したり、薬剤師がまちがって出してしまうことだって無いとは限りません。
 風邪で医者にかかったのに間違って糖尿病のおくすりを出されて飲んでしまって、低血糖で意識不明になってしまうのでは何のために医者にかかったのか分からないですしね。
 そんなことを起こさないためにも自分で飲むおくすりの作用はきちんと確認してください。
 『私は血圧が高いから、血圧を下げる作用のおくすりを飲む』とか、『コレステロールが高いので、コレステロールを下げるためのいおくすりを飲む』のように、この薬を飲む必要があることが分かっていれば飲み忘れもなくなるでしょう。
 おくすりの達人の心得の其の五は『貰ったおくすりが間違っていないかを確認し、何に効くおくすりを理解するべし』です。


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